毎月、生理による出血がある女性は、男性より血が不足しがちです。
とくに偏食がちだったり、食生活が単調になりやすい人は、血のもととなる栄養がとれず、血が不足しやすいといわれています。
このように血が不足した状態を「血虚(けっきょ)」といいます。
血虚舌
また、妊娠・出産は、血をたくさん消耗する行為なので、産後はどうしても血虚になりがちです。このほか、月経過多などによって血虚になる場合もあります。
● 舌の状態 他の体質に比べて小さい。全体的に淡い色。舌の苔はうっすら。
出やすい不調とトラブル
血虚の女性
貧血とまではいかなくても、
・顔色が悪い
・肌が荒れやすい
・髪や爪が傷みやすい
・こむら返りをよく起こす
・月経量は少なく、ピンク色の粘膜のようなかたまりが混じる
・動悸
などの症状のいくつかがあれば、漢方では「血虚」であると考えます。
・眠りが浅く夢をよく見る
・驚きやすい
・不安感 など精神的な症状もあらわれやすくなります。
血には、ホルモンの働きの一部も含まれているため、血虚を放っておくと、子宮内膜が薄くなって経血量が減ったり、 生理の期間が短くなるなどの問題が起こりやすくなり、不妊に発展するおそれもあります。血虚の兆候が少しでもあれば、ふだんの生活の中で、できるだけ血を補う工夫をしていくことが大切です。
おすすめの 食事
● 一度にたくさん食べず、多種類の食品を少しずつとる
食生活にかたよりがあるようなら、まずはそれを改善する事が大切。ひとつのものばかり多く食べるのはやめて、できるだけ多種類のものを食べるように心がけましょう。
また、このタイプは、食べ物から必要な栄養を吸収する力が弱いので、「血」を補給するための食品も、一度にたくさん食べず、何度かに分けて食べる方が効果的です。
血虚 食材1
●ドライフルーツや黒い食品を多くとろう
血を補うためには、色の濃いものもきちんと食べることが大切。
プルーンやなつめ、クコの実などのドライフルーツ、緑黄色野菜、黒豆、ひじき、黒ごま、黒きくらげなどは血を増やしながら血のめぐりもよくしてくれます。毎日少しずつでも食事に取り入れるようにしましょう。
血虚 食材2
● たんぱく質もきちんと!
また、たんぱく質をきちんととることも大切。血を補う作用が強いのは、レバー、鶏肉、牛肉の赤身、まぐろ、かつおなど。
これらの動物性たんぱく質と、豆腐や納豆などの植物性たんぱく質を、野菜や穀類と組み合わせてとるとよいでしょう。
ツボ
三陰交(さんいんこう)
内くるぶしから指4本分上にあるツボ。
血を補い、血行もよくなります。
ここを親指でもんだり、押したりして刺激。足湯で温めるのも◎。
血海(けっかい)
ひざのお皿の内側骨から、上に指3本分の所にあるツボ。
文字どおり血を生み出すツボで、血虚による婦人科系のさまざまな症状に用いられます。
親指で強めに押します。
生活 アドバイス
● 夜更かしや夜の仕事は避ける
血は、夜眠っているときに生成されるので、睡眠は重要。夜更かしをすると、それだけで血が消耗されて、ますます血の不足が進んでしまうことに。遅くとも12時までにはベッドに入る努力を。
また、頭を使う作業も血を消耗するうえ、このタイプはちょっとしたきっかけで不眠になりがちなので、夜寝る前にパソコンに向かったり、仕事の書類に目を通すのは禁物。
就寝前の1〜2時間は、できるだけリラックスした時間を過ごすようにしましょう。血虚 生活アドバイス
● 全身をほぐすヨガやストレッチを
このタイプは、やせていて筋肉も貧弱な人が多く、運動もあまり得意ではないはず。筋肉に弾力がないため、テニスや短距離走など、体の一部分を酷使するスポーツは、けがのもとです。
体を動かすなら、全身をほぐすヨガやストレッチ、水泳などがおすすめ。翌日に疲れが残らない程度の運動量を心がけて下さいね。
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