顔のリンパの流れを図で理解!すっきりマッサージの方法
顔の周りにはたくさんのリンパ節が存在しています。リンパ節の位置と経絡上にあるツボの位置は似ていることが多く、両方の位置を理解してマッサージを行うことで効果がアップします。特に、鎖骨の上付近には全身のリンパが静脈に注ぐ部分があるため、胸元から顔周辺のリンパを流すことで、全身のリンパの流れも良くなり、小顔にもつながります。
顔の経絡・リンパの構造と流れ
- リンパとは
リンパは全身の細胞や組織の間にある血液と同じ成分をもつ液体で、主に老廃物を排泄する役割を担っていますが、老廃物が多いとリンパ節(有害物質をくい止める関所)でつまりが生じて渋滞のような状態になってしまいます。
- 経絡とは
3000年以上前から中国で考えられてきた、いわゆる東洋医学における体の道筋のことです。気・血・水(き・けつ・すい)を流す通路となっています。経絡は全身に張り巡らされていますが、特に顔周辺には数多くの経穴(ツボ)が集中しています。
リンパと経絡の関係
美容のために知っておきたいリンパ節は耳下腺リンパ節と顎下リンパ節です。風邪をひいたときや、体調が悪くなると腫れやすい部分です。
耳の後ろの耳介後リンパ節、さらに胸鎖乳突筋に沿っている浅頸リンパ節と深頸リンパ節は、頭部や頸部のリンパを集めて頸リンパ本幹に注ぎます。全身を巡ったリンパは、鎖骨下にある静脈角から静脈に入ります。
経絡上では、鎖骨の内側に気舎、およそ中央に缺盆(けつぼん)、鎖骨を挟んでその下に気戸(きこ)という足の陽明胃経のツボがあります。陽明胃経の経絡は目の下から始まり頚部、体幹、脚を通り足の第二指まで巡っています。「気」という言葉がついているツボは気の流れを整えます。気はリンパと同様に滞りやすいので、これらのツボを意識してタッチするようにしましょう。
リンパやリンパ節に老廃物が滞って起こる顔のトラブルとは?
リンパの流れが滞ることで、体の巡りも悪くなります。この滞りをそのままにしておくと様々なトラブルの原因になります。
顔のたるみ・ほうれい線
コラーゲンやエラスチンの減少、表情筋の衰えに加え、老廃物がたまってリンパの流れが滞るとむくんだ状態になり、たるみやすくなるのです。頬のたるみは、ほうれい線を目立たせてしまいます。
シミ・ソバカス
老廃物によってリンパの流れが滞ると、新陳代謝も悪くなり、シミ・ソバカスを押し上げる力も弱くなります。
くすみ
特に朝よりも夕方にくすむという方は、リンパの滞りに着目しましょう。リンパは体の下水道とも呼ばれています。流れないと綺麗な状態になりません。
【写真付き】経絡&リンパの流れに沿った顔のリンパマッサージ
まずは、リンパマッサージの原則を何点か押さえておきましょう。
- すべてのリンパは首から鎖骨へつながっている
この部分のリンパを流しておかないと、リンパがつまり渋滞が起きてうまく流れません。
- 顔の中心から外へ流すのが基本
老廃物や異物をとらえるリンパ節は顔の側面、首の両側に集中しています。顔の中心からリンパ節までスッキリと流して、滞らないようにしましょう。
- リンパ・経絡をふまえたマッサージの基本方向
リンパは鎖骨下に最終的に流れ、陰陽のうち陽経の経絡は上から下に流れます。顔から首には多くのツボがあり、経絡を流すためにも顔から首に向かって流すことが大切です。
それでは、実際にリンパマッサージを行ってみましょう。簡単、短時間で効果的なので夜寝る前、メイク前など1日2回を毎日の習慣にしてみてください。
(1)首のリンパを流す
左右の頬に手のひらを軽く当て、横方向に耳まで流し、鎖骨に向けて下方向にすべらせます。3回行いましょう。
(2)耳周辺のリンパを流す
耳の斜め下、くぼんでいるところを3秒間プッシュしてください。これも3回行います。
(3)リンパのつまりを流す
耳の下から鎖骨上のくぼみまで指をすべらせて、鎖骨上を4本の指で1秒間、3回軽くプッシュします。最後に、経絡のツボも意識して軽く触れるようにしてください。