生理痛改善  若年層の月経困難症

当たり前の出来事、月経のたびに苦痛で悩む、いわゆる「月経困難症」の女子は意外と多いのです。

 

特に思春期女子では20〜40%もいるとも言われます。私が診た思春期の患者もここ10数年で、4、5倍にも増えました。月経で苦しんでいる中・高校生がいかに多いことか。何度も学校の保健室に駆け込んだ経験を持つ患者が多いのには驚かされます。
 

月経困難症は、「下腹部痛や腰痛のほか、頭痛、吐き気、おう吐、下痢、めまい、いらいら感などを伴い、日常生活に支障を来す場合」を言います。

 

月経困難症の患者は、月経血中にプロスタグランディン(PG)という物質が普通の人より高い濃度で存在しています。このため、月経血を押し出すための子宮収縮が強すぎて、痛みを強く感じてしまうのです。さらにPGが血中に入り、さまざまな全身症状を引き起こします。

 特に思春期では、子宮がまだ十分発育していないために経血がスムーズにいきません。さらに精神的にも未熟なために月経への不安や強い緊張感などが症状を加重しているのです。これらは「機能性月経困難症」と言われ、特別の疾患があって起こるものではありません。

 しかし一方で、最近は思春期女子でも症状の原因となる疾患が見つかることも時々あるのです。もはや「『生理痛』だから…」と軽視できなくなってきたのです。

 

生理痛改善は、思春期から考える必要がありますね。

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