ただの寒がりですか?  冷えから始まる生理痛! 

冷えがある「陽虚」とは

陰陽説では、温かい状態を「陽」寒い状態を「陰」としています。
正常な体温を保っているのは「陽」のはたらきで、寒がりで手足がいつも冷たい、下半身が冷えやすいといった症状を、陽が足りない、すなわち「陽虚(ようきょ)」といいます。

この「陽虚」タイプは、生活習慣と大きな関わりがあります。
陽虚舌寒がりのわりには無防備で、夏の冷房の中でもノースリーブとサンダル、冷たいものばかり食べてしまう、、などが積み重なって、さまざまなトラブルが生じます。

● 陽虚の舌  全体的に白く、両側に歯の形のギザギザがある。苔は薄く白い。


出やすい不調とトラブル

陽虚の女性

「陽」が不足すると

   ・手足がいつも冷たい
   ・下半身がひえやすい
   ・顔色が青白い
   ・膀胱炎をくり返す
   ・冷えると腰や関節が痛む  などの冷えの症状があらわれます。

実際「冷え」になやむ女性はとても多いようです。

陽虚 ペンギン

そして冷えにより血管が縮こまって、血の流れを滞らせるため、瘀血に発展することも多くみられます。
真冬にマフラーなしで外出すると首すじが痛み、ふとんから肩が出ていると肩が凝る、といったように体が冷えると途端に調子をくずす、などが「陽虚」による「瘀血」の例です。

まずは、冷えを寄せつけない生活を心がけて、血のめぐりの悪さを改善していきましょう。



おすすめの食事

● 体を冷やす食べ物に注意
まず気をつけたいのは、冷たい食べ物や、氷の入った飲み物、アイスクリームなどの冷菓をできるだけとらないようにすること。
お弁当や、冷蔵庫の中のお惣菜は、めんどうでも必ず温めて、飲み物もできるだけ温かいものをとるようにしましょう。

また、果物や夏野菜も体を冷やす作用を持つものが多いので、食べすぎに気をつけて。



● 陽気を補う食材&スパイスを上手に使う
陽虚 食材1 冷えを改善するためには、からだを温める原動力である「陽気」を養うエビ羊肉牛肉鶏肉などを適度にとりましょう。
調理法も、温かいスープ鍋料理にするとなおよいです。

また、シナモンターメリックフェンネルこしょう山椒八角しょうがにんにくねぎなどのスパイス類を上手につかいましょう。
なすやキュウリ、トマトなどの夏野菜もスパイスと上手に組み合わせれば体を冷やす心配もありません。
唐辛子も胃を荒らさない程度であればOKです。

ティータイムには、紅茶におろししょうがを加えた「しょうが紅茶」もおすすめ。



おすすめのお茶

紅茶、プーアール茶、鉄観音茶、真珠花茶、ライチ紅茶、祁門(キーマン)紅茶 など
これらにおろしたしょうがを加えて飲めば、体がポカポカになって汗ばんでくるほど。



ツボ

  • 腎ゆ

     腎兪(じんゆ)

    骨盤の上端を背中側で結ぶ線と背骨が交わるところから、脊椎の骨2つ分上で、脊椎から左右約3cmずつ外側にあるツボ。

    体の根本である「腎」の働きをよくします。腰痛や生理痛にも効果アリ。

    両手を腰にあて、親指でゆっくり指圧します。また使い捨てカイロを貼ったり、シャワーを当てて温めると効果大。

  • 関元

      関元(かんげん)
    おへそから指4本分下。

    体を温める原動力を高めます。

    強く押さずに、手の平や指全体でマッサージしたり、カイロで温めるのも◎。

    太谿

       太谿(たいけい)
    内くるぶしのすぐ後ろ、アキレス腱との間のくぼみにあります。

    体の根本である「腎」を強くするツボ。からだを温める力を高めます。

    かかとに4本の指を当て、親指でもむようにするのがおすすめ。



生活アドバイス

● 体を冷やさない生活環境を整える
まず、服装にはいつも気を配ることが大切です。
冬ならちょっとした外出でもマフラーと手袋を忘れずに。
夏は、冷房がきいた場所と炎天下を行き来すると、血管がそのたびに収縮と拡張を繰り返して、血のめぐりが悪くなる原因になるため、はおりものをバッグに忍ばせて、こまめに服装を調節することを心がけて。
「寒い」と感じる前に着るのがコツです。

また、冷えが体内に入り込みやすいおなか足首かかとは、どんな季節でもしっかりガードするようにしましょう。
そして、入浴はシャワーですませず、できるだけゆっくりと湯船につかる習慣を。

陽虚 生活アドバイス

● 運動で体を温め、筋力もアップさせる
体を動かさないでいると、熱の産生源でもある筋肉を衰えさせ、ますます冷えやすい体になってしまいます。冷え性を治すためにも、血のめぐりをよくするためにも、適度な運動は必要です。

長続きさせるために、自分が楽しめるようなスポーツを選びましょう。

ただし、水泳や水中運動は避けて。水温がそれほど低くなくても、水には体の熱を奪う性質があるからです。

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