中医学には、「薬茶」という古来からの健康法があります。
古来から植物の茶葉で健康・治療する「薬茶」は、西洋医学の薬の原点です。
日本でも、ドクダミ茶、ハト麦茶をはじめとする健康茶が、健康ブームに拍車をかけています。
お隣韓国の健康茶も、韓国ドラマ韓国旅行ブームで、日本でも人気があります。
韓国の伝統茶
・木の根や皮・実など、中薬の材料を煮出したもの
コーン茶、くるみ茶、はと麦茶、ドゥングレ(アマドコロ)茶、黒豆茶、
ゆり根茶、サンファ茶、高麗人参茶(五果茶)など
・果実を蜂蜜や砂糖に漬け込んで、そのエキスをお湯で割って飲むもの
ゆず茶、かりん茶、りんご茶、うめ茶、なつめ茶、ざくろ茶、
五味子(オミジャ)茶、しょうが茶、干し柿茶(水正果:スジョングァ)など
・草木花を乾燥させて保存し、お湯を注いで飲むもの
柿の葉茶、桑の葉茶、笹の葉茶、松の葉茶、よもぎ茶、
ハスの葉茶、たんぽぽ茶、あじさい茶、菊花茶、紅花茶、アカシアの花茶、
モクレンの花茶など
実は韓国の茶文化は長い歴史をもち、日本の茶道にも一部影響しているのですが、このことはあまり知られていません。
日本と同じように、緑茶は文化とともに中国から朝鮮半島に伝わってきました。しかし、朝鮮王朝時代(14世紀末~20世紀初頭の500年間)は国家の中心的な考えに儒教が取り入れられために、仏教は廃れていきました。そして仏教と深い関わりのある緑茶は次第に飲まれなくなってしまいました。
それに代わって、身の回りの果実や穀物、漢方薬、野草や花など身近に手に入る材料で作られたお茶が、庶民の間で健康茶として飲まれるようになりました。
これが現在の韓国の「伝統茶」と呼ばれるお茶です。
韓国ではふだんからその日の気分や体調にあわせて選ばれたお茶が飲まれています。そのどれもが“食薬同源”に基づいている薬用茶・健康茶なのです。
伝統茶は薬膳料理と同じように民間の家庭薬として、今日まで受け継がれてきたものなのです。