薬葉 薬茶 研究  車前草

車前草・ おおばこ効果・効能

 

 

オオバコは、オオバコ科の植物で別名を車前草(シャゼンソウ)といいます。

オオバコは水を吸収すると、糊のような粘液がでて、動物の足や人間の靴を介して種子が運ばれ、野草、空き地、路傍、登山道など人が多く歩く場所に自生しています。

オオバコは、踏みつけられても生命力が強いため、世界各国に広く分布しています。

日本のオオバコは高さ10~15cmで卵形の葉を持っています。花の咲く時期は4~9月です。

 

オオバコは古くから民間薬として使用されており、全草を煎じて服用すれば白内障や夜盲症、目の充血に良いとされています。
現在でもオオバコはのどの痛みや咳を鎮める効果があることから、茎や葉をお茶などにして飲用されています。

 

●オオバコの名前の由来
オオバコという名前は、葉が広く大きいことから名付けられたといわれています。

そのほかオオバコは地方によってさまざまな呼び名があり、カエルッパ(蛙っ葉)、カエル葉などとも呼ばれています。この名前は火であぶることで膨らんだオオバコの姿がカエルの腹に似ていることからつけられた呼び名です

。さらにオオバコは、子供たちが花の茎を絡ませて引き合い、その強度を競って遊ぶことから、スモトリバナ(相撲取り花)ともいわれています。

 

 

●漢方としてのオオバコ
オオバコは漢方としても有名で、漢の時代(紀元前206~)からその名がみられるほど歴史のある植物です。オオバコはシャゼンソウという名で生薬[※1]として日本薬局方[※2]に収載されています。オオバコの種子は咳を鎮める作用があり、葉は利尿作用があり、さらに肌の傷にも利用されていました。オオバコの種子は車前子(シャゼンシ)と呼ばれ、体に熱がこもる尿が出にくい時や、目の充血、目の痛みがある場合に使われる生薬です。

 

●オオバコを摂取する際の注意点
オオバコは子宮の緊張を増加させるといわれているため、妊娠中の方は摂取を控える必要があります。また、多量に摂取すると、下痢や急な血圧の低下を引き起こす可能性があります。

また、オオバコは「寒性」の性質を持つため冷えを感じるときは用いない方が良いといわれています。

●オオバコの成分と効果
オオバコは種子や根、葉など全草に有効成分を含んでおり様々な効果を持ちます。種子の外皮には多糖類のプランタサンやフラボノイドのプランタジンを含み鎮咳効果があります。多く含まれる粘膜には、腸を刺激し便秘を解消する効果が期待されています。また、抗酸化作用[※3]のあるポリフェノールのタンニンは、活性酸素を除去してくれます。

[※1:生薬とは、天然に存在する薬効を持つ産物から、有効成分を精製することなく体質の改善を目的として用いる薬の総称です。]
[※2:日本薬局方とは、日本国内の医療における重要な医薬品の品質・強度・純度などについて定めた基準のことです。]
[※3:抗酸化作用とは、たんぱく質や脂質、DNAなどが酸素によって酸化されるのを防ぐ作用です。]

オオバコの効果

●のどの調子を整える効果
オオバコには消炎作用や保湿作用があるプランタジンという成分が含まれるため、のどの調子を整え、咳を抑える効果があります。さらにオオバコにはアウクビンという成分も含まれており、粘液の分泌を促進する作用や粘膜を修復する作用があります。そのため、のどの気道の粘膜の調子を整えます。

 

●腸内環境を整える効果
オオバコの種子は30%も粘液を含んでいるため、お腹の調子を整える効果があります。
オオバコの種子が腸内で膨張することで、腸内を拡張化させるため、整腸効果があります。

また、腸のぜん動運動[※4]に作用するため、便秘に対する効果も期待されています。
過敏性腸症候群の患者に対して便秘や下痢の解消と腹痛の改善効果が見られました。【1】【3】

●生活習慣病の予防・改善効果
オオバコにはコレステロール値や血糖値の降下作用があるといわれています。高血圧にも良いとされ、中国ではオオバコの種子を高血圧に用いており、種子のアルコール抽出物でイヌやネコの血圧を低下させたという報告があります。血液中のコレステロールが増加しすぎると、動脈硬化などの生活習慣病を引き起こします。臨床研究では血清コレステロール値、LDLコレステロール値、血中脂質の量を低下させることもわかっています。様々な効果があるため、生活習慣病を予防する効果が期待できます。【2】【4】【5】

その他、オオバコは生薬として眼病や婦人病に効果があるといわれています。

名称 オオバコ
科名/属名 おおばこ科 / オオバコ属(オオバコ属に属する多年草)
学名 Plantago asiatica(プランタゴ アシアティカ)
和名 おおばこ(大葉子)
生薬名 車前草(シャゼンソウ)
ハーブ名 アジアンプランテーン(Asian Plantain)、プランタゴ(Plantago)
産地/分布 日本、ユーラシア大陸
採取/製法 花期、葉が十分に成長した頃に全草を採取し、水洗いで泥を落とし根元に着いた枯れた葉を取り除きます。その後天日で干してから陰干しに移し完全に乾燥させます。
部位/形状 おおばこ全草
成分 タンニン、イリドイド、グリコシド〔オクビン〕、アウクビン、プランタギニン、ホモプランタギニン
カフェイン ノンカフェイン
効果・効能 鎮咳、去痰、抗炎症、利尿、尿酸分泌促進
適応

尿路の急性感染症、肺炎、発熱性の腫物

 

 

 

 

香りと味覚 おおばこ茶にはほとんど香りがなくほのかに千草の風味を感じることが出来ます。

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