冷え性は女性特有の病気ではない
女性の8割は「冷え性」に悩んでいるといわれています。冷え性とはひとつの病気ではなく、血行が妨げられるために体に冷えを感じる状態のことです。
冷え性の特徴は、手足の先の冷たい感じ、足腰の冷える感じ、寒がりといった症状です。また、血行不良になることで肩こり、生理痛、腰痛などが起こることもあります。
冷え性は女性特有の症状のようにもみえますがもともと冷え性というのは男女関係なく起こる症状で、男性でも半数以上の人は冷え症かもしれないともいわれています。
特に最近は若い男性の冷え性が増えています。冷え性は女性だけでなく男性の健康のためにも良くありません。ところで、なぜ冷え性が起こるのでしょう。
冷え性のメカニズム
私達の体には、気温の変化が起こっても常に体温が平熱であるように調整する機能が備わっています。寒い時には体温が下がらないようにするため、皮膚から熱が放出されないようにします。暑い時には体温が上がらないようにするため、汗をかいたり皮膚から熱を放出したりしています。
私達の体は内臓の熱が一定に保たれなければなりません。もし体が冷えそうになると全身の熱を内臓へ優先して集めようとはたらきが起こるため、体の末端である手足から熱が奪われて冷たくなってしまいます。これが冷え性のメカニズムです。ですから体が冷えるような原因を作ると冷え性が起こってしまうのです。
冷え性の原因
冷え性の原因は日常生活の中にいくつかあります。
「気温に合ってない薄着」
薄着は体温を維持する効果が少ないので体が冷えやすくなります。
「冷たい食べ物・飲み物の摂り過ぎ」
内臓から体を冷やしてしまいます。
「運動不足」
運動は血行を促進させて体を温める作用があります。また、熱は筋肉で作られるので運動不足によって筋力が低下すると熱が作られにくくなり冷えやすい体質になってしまいます。
「ストレス」
ストレスや緊張は自律神経のはたらきによって血管を収縮させるので血行を悪くさせてしまいます。
「喫煙」
煙草に含まれるニコチンや一酸化炭素は血管を収縮させるので血行が悪くなってしまいます。
「強い冷房」
強い冷房を好む人もいますが、冷房の風は体を冷やしやすいのです。
男性と女性の冷え性
女性は男性よりも筋肉量が少ないために男性よりも熱が作られにくく冷え性が起こりがちです。また、女性ホルモン分泌のバランスが変化すると体が冷えることもあります。男性の体は女性より冷えにくいのですが、女性とはまた違った原因で冷え性を引き起こしやすいのです。
男性の冷え性に多い原因がストレスです。仕事のストレスやプレッシャーを強く感じながら生きていく男性は少なくありません。喫煙者は男性に多い傾向があり、体を冷やす原因になります。
若い男性に冷え性が増えている原因
20代の若い男性に冷え性が増えている原因のひとつに筋肉量の低下があげられます。また、ストレスを感じやすい世の中になり、溜まるストレスによって自律神経のバランスが不安定になる人も増えています。
若い人には冷え性の自覚がない「隠れ冷え性」の人も少なくありません。本当は体が冷えているにも関わらず、薄着をしたり冷たい食べ物や飲み物を摂っていたら冷え性が本格化してしまいます。
男性が冷え性になると
冷え性になると免疫力が低下するために、風邪をひきやすくなったり病気が回復しにくい体質になってしまいます。また、なんとなく不調、だるい、疲れやすいといった症状を感じやすくなりエネルギッシュに行動することができなくなってしまいがちです。男性の場合、血の巡りの悪さからEDにつながることもあります。
冷え性の予防・改善対策
冷え性の予防と改善には、日頃から体を温めるようにして血行を促進させる対策が必要です。
「温かい服装を心がける」
ファッション性重視で薄着をするのは健康のためにはおすすめできません。気温に合った服装を心がけます。
「運動する」
血行を促進させる有酸素運動(ジョギング、ウォーキング、スイミングなど)と筋力をつける無酸素運動(筋肉トレーニングなど)をバランス良く行うと効果的です。運動にはストレし解消効果もあります。
「入浴はシャワーで済ませない」
入浴時には湯船に浸かってゆっくり体を温めることがおすすめです。シャワーだけの人は湯船に浸かるようにもしてくださいね。
「冷たい物を摂り過ぎない」
冷たい物は内臓を冷やすのでほどほどにして、温かい物を摂るようにします。
「たんぱく質を摂る」
筋肉を増やすために材料となるたんぱく質を摂るようにします。鶏肉、豆腐、卵がおすすめです。