生理痛の原因
生理痛は、子宮を収縮させる『プロスタグランジンE2』という物質が過剰に分泌される事で起こります。
『プロスタグランジンE2』が過剰分泌される原因は、主に冷え・ストレスです。
あまり聞きなれない名前で、少し難しく感じるかもしれません。
今回は簡単に、生理痛が起こる仕組みと、生理痛を引き起こす『プロスタグランジンE2』が過剰に分泌される原因をご説明します。
3-1.生理痛が起こる仕組み
女性の体の中では毎月、子宮内膜という赤ちゃんができた時のためのベッドのようなものを作っています。
しかし、着床しなければそのベッドは不要になるので、体の外に排出する事になります。
その不要になったベッドの排出が、生理の経血です。
子宮を強く収縮させて、子宮の内側にくっついているベッドを剥がして外に排出します。その時に炎症を起こし、痛みが生じて出血します。
子宮を収縮・炎症を促進する働きをするのが『プロスタグランジンE2』という生理痛を引き起こす物質です。
3-2.『プロスタグランジンE2』が過剰分泌される原因
『プロスタグランジンE2』は子宮を収縮させるために分泌されるものです。
この物質が過剰に分泌される原因は、主に体の冷え・ストレスです。
着床せず不要となったベッドを体外に排出させるために『プロスタグランジンE2』が子宮を収縮させる事が必要なので、分泌される事自体は悪い事ではありません。
しかし過剰に分泌される事で痛みが生じます。
過剰に分泌される原因は主に2つです。
①冷え
体が冷えて血行が悪くなると子宮の機能が下がり、不要なベッド(生理でいう経血)を排出する作業がスムーズにされなくなります。
すると体は『プロスタグランジンE2』を多く分泌して、子宮をより収縮させて排出するように働くので生理痛が起こります。
また、冷えにより骨盤の血流が悪くなると腰の鈍痛なども起こります。
冷えがひどくなるとお腹・腰などの痛みだけでなく、頭痛・吐き気などを引き起こす事もあります。
②ストレス
ストレスは自律神経の悪化や、①で説明した冷えを引き起こします。
女性ホルモンは自律神経が調節しているので、自律神経のバランスが乱れると女性ホルモンが乱れやすくなります。
乱れたホルモンの影響によって子宮などの機能が低下します。
また強いストレスを受けると体が緊張し血流が悪くなります。
子宮の機能の低下や血流悪化によって、不要なベッド(経血)がスムーズに排出されなくなります。
冷えと同様に、体外へ排出するために『プロスタグランジンE2』を多く分泌しなければならなくなります。
ストレスは自分で感じない事も多いので分かりにくいものですが、仕事や家庭など様々な理由でストレスが蓄積され生理痛をひどくしている事があります。
あまりに生理痛や頭痛などの症状がひどいようであれば、子宮内膜症・子宮腺筋症などの場合もありますので、気になる方は一度婦人科で相談してみましょう。