貴妃座浴では、漢方・中医学の考えから食事で養生して
冷え症・生理痛・低体温改善・温活・妊活のサポートをいたしています。
食療&薬膳
中国明の時代に、薬膳学は中国医学の進歩とともに成熟と発展の時期に入りました。
西暦1578年李時珍の著作『本草綱目』が食療や薬膳の基礎を確立しました。
李時珍は薬用として記載されている植物・動物・鉱物などの形(たとえば、植物の花・葉・茎・枝・皮・根っこなど)・効能を図で説明し、気味陰陽・五味宜禁・四時用薬などに分けられ、薬は1,892種、漢方薬は1万以上が載せられています。食療と薬膳の内容が多く 含まれています。
【食べものの四性と五味】
中国の古い概念では、食べ物の性質を温めるか冷やすかの程度によって「熱」「温」「平」「涼」「寒」の5タイプに分けています。「熱」「温」「涼」「寒」を食べ物の「四気」といい、温める、冷やす、どちらの性質も持たないものを「平」としています。ふだんの生活では、寒熱のバランスを考え、どちらかに偏らないように食べ物を選びます。そして調理方法によっても食べ物の性質は変化しますので、調理の仕方もたいへん重視しています。また、食べ物を「酸」「苦」「甘」「辛」「鹹」(しょっぱい)の五味に分けています。それぞれの味は五臓と対応していますので、同じ味をとりすぎたり不足にしたりすると、臓腑が弱まります。「食養生」ではこれら食べ物の四性と五味を考え、バランスのよい食事をとっていくことが健康に繋がると考えています。
【五味の効能と五臓との関係】
五味 | 酸 | 苦 | 甘 | 辛 | 鹹(塩) |
五臓 | 肝 | 心 | 脾 | 肺 | 腎 |
効能 | 脱落症状を収める・津液を生じる | 熱を清める・便通をよくする・解毒・湿を散す | 疲れを改善・虚弱を補う・脾胃を調和・痛みを和らげる | 身体を温める ・気血の流れをよくする・痛みを止める |
堅いものを 和らげる・塊を解消・通便 |
【食材の寒性・熱性】
例えば: | 温熱性 | 平性 | 涼寒性 |
穀物・豆類 | もち米 | 白米 | 玄米 |
乳性品・肉類 | 羊肉 | 豚肉 | |
魚介類 | エビ | ホタテ貝 | カニ |
野菜 | ねぎ | 山芋 | 大根 |
果物 | ナツメ | いちじく | 柿 |
木の実 | クルミ | 蓮の実 | |
香辛料 | 唐辛子 | ハチミツ | 味噌 |
【健康改善に役立つ食薬】
大よそ365種類の生薬の中に、私たちの食生活の中で、食材として使っている食薬
がたくさんあります。漢方薬の服用によって身体にあらわれた不調を治療しますが、
健康を保つためや養生のために、生薬と同じまたはほぼ同じ効能の食材を日常食生活に
取り入れることで、臓腑、気・血・水のバランスがとれ、免疫力を高め、老化を遅らせ
ることができます。漢方では「医食同源」「薬食同源」ということばがあり、薬を服用し
なくても身体によい食べ物を日常的に摂取すれば、薬と同じ効能をもたらします。
食材名 | 食薬名 |
杏仁(あんにん) | 杏仁(きょうにん) |
菊の花 | 菊花(きっか) |
葛(くず) | 葛根(かっこん) |
枸杞の実 | 枸杞子(くこし) |
ニッケイ | 桂枝(けいし) |
なつめ | 大棗(だいそう) |
とうもろこしのひげ | 南蛮毛(なんばんげ) |
ハブの葉 | 決明子(けつめいし) |
はっか(ミント) | 薄荷(はっか) |
びわの葉 | 枇杷葉(びわよう) |
干したサンザシ | 山楂子(さんざし) |
ドクダミ(葉) | 十薬(じゅうやく) |
1.杏仁(あんずの種) 苦・微温 肺・大腸に帰経 咳きとめ・喘息を鎮め 腸を潤し・便通をよくする |
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2.枸杞子(枸杞の実) |
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3.大棗(ナツメ)ー写真内赤い実 甘・温 脾・胃に帰経 胃を強め・気を補う 養血安神・緩和薬性 |
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4.南蛮毛(トウモロコシのひげ) 甘・平 肝・腎・膀胱・心・小腸に帰経 清熱解毒・膿を出す 清熱利尿 |
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5.薏苡仁(はと麦) 甘・淡 微寒 脾・胃・肺に帰経 健脾補肺・熱を清し毒を排出する 体内にある余分な水分や湿気を外に出す |
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6.百合(ゆり根) 甘・微苦・微寒 肺・心に帰経 肺を潤し、咳きを鎮ずむ 清心安神 |
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7.銀杏(ぎんなん) 甘・苦・渋・平 肺・腎に帰経 肺気を収斂し、出血を防ぐ おりものを止める |
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8.山薬(山のいも) 甘・平 脾・肺・腎に帰経 補益脾肺・養陰固精 |
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9.金針菜(ゆりの花つぼ) 甘・涼 肝・腎に帰経 清熱利湿・涼血解毒 胃の気を和して、血を補う |
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10.菊花(菊の花) 辛・甘・微苦・微寒 肝・肺に帰経 清熱解毒・清肝明目 |