月別アーカイブ: 2015年6月

食養生  陰虚体質

陰虚体質
  「気・血・水」の中の「水」の部分が不足している状態です。
即ち、体液やホルモン、消化液が不足していることです。
痩せすぎ、便秘、顔頬が紅潮気味、潤いがないなどが外に現れる特徴です。
更年期が近づくとなりやすく、のぼせや寝汗、耳鳴り、生理不順等の更年期症状と一致します。
特に、糖尿病や慢性気管支炎、扁桃炎に罹りやすくなります。

飲食養生
1、 体内は「血」「水」が不足し虚しているので、陰精を養う飲食につとめる。
  「血」を養うものや「陰」を養う食べ物に心がけて摂取しましょう。
「血」を養う食品は、甘みのあるもの、黒い色の食材です。
甘みとは穀物の甘みを意味し胃腸を元気にしてくれます。
黒いものは栄養価の高い証!質の高い血を養います。
ナッツ類、ほうれん草、黒ごま、黒豆、黒砂糖、きなこ、レバー、鮭、豚肉、
さつま芋、かぼちゃ、くこの実、なつめ・・・などがあります。
「陰」が不足している時は、ゴマ、蜂蜜、乳製品、サトウキビ、バナナ、
トマト、パイナップル、白きくらげ、百合根、カモ肉、梨、柿など陰を養い潤う食べ物を摂るとよいです。

2、 のどの渇きや顔のほてりなど多発するが、冷水は慎む。
また、 見かけの元気づくりの薬物や飲食は慎む。
  のどの渇きや顔のほてりなど多発しますが、冷水は飲まないで、温かい物を飲むように心がけてください。
  やせ衰えや元気不足ということで元気付くなどの見かけの補気薬や健康ドリンクを飲まないように注意してください。

3、 のぼせ、ほてり、微熱、寝汗、耳鳴りなど陽亢症状を現すが、要注意。
  「陰虚」により相対的に「陽亢症状」が現れますが、単に「陽」を抑制するのでなく、 「滋陰潜陽」を図りましょう。
のぼせ、ほてり、微熱、寝汗や耳鳴りの人は、スッポン、豚肉、鴨肉、なまこ、
牡蠣、あわび、牛乳、豆腐などは身体に潤いを与えて、余分な熱を冷ます働きがあります。
なかでもスッポンは、微熱、のぼせを鎮め、寝汗、耳鳴りを改善する代表的な食材です。

4、 温燥、辛い、濃厚な味付け品などは「陰」を傷つけるので、避ける。
  例えば、山椒・ピーマン・ねぎ・生姜・ニラ・エビ・さくらんぼ・杏・龍眼肉・羊肉・のなどは、
「陰虚」のやせ衰えには不適格です。
5、 甘すっぱいものは「陰虚」を補う。
  ぶどう・レモン・梨・柑橘類・すいか・冬瓜・苦瓜・きゅうり・ほうれん草・蓮根・百合根・黒胡麻などが良いです。

6、 新鮮な蓮根は「陰虚内熱」のものに最適
  陰虚体質では寒涼食品の無節制な食は脾胃を傷付けます。

7、 良質タンパクを含む肉類
  豚肉・鴨肉・牡蠣・あわび・すっぽんなどです。

8、 生活リズムを崩さない。
  中医学では、昼は『陽』、夜は『陰』が支配する時間帯と考えています。
夜型の生活を長時間続けていると、陰分は、どんどん消耗してくるので、
夜の10時前までに寝るように心掛けてください。
汗をかいたら水分の補給を積極的にしてください。

おすすめ食材
 大根・ほうれん草・いちご・トマト・りんご・バナナ・柑橘類・パイナップル・
ぶどう・桃・すいか・柿・緑豆・黒豆・豆腐・蜂蜜・豚肉・鴨肉・鶏肉・くらげ
あわび・胡麻・砂糖・茶葉・小麦など

食養生  血虚体質

血虚体質
  「気・血・水」の中の「血」の不足の状態です。
但し、血液検査数値の貧血とは概念が違い、血液の機能力「虚弱」を指します。
血液が虚弱のために臓腑や経絡、組織に滋養が行き渡らず、その原因で起きるところの症候が現れるもので、
特に、循環器や内分泌の機能が弱ります。
顔面蒼白で艶なく、口や爪の色が淡いです。
体質虚弱、眼瞼の光色が悪い、目がかすむ、髪が薄い或いは脱毛、白髪が早い
めまい、耳鳴り、頭が重い、力が出ない、動悸、四肢の痺れや麻痺あります。
月経が遅れたり、量が少なかったり、閉経などの症状があらわれます。

飲食養生
1. 赤や黒色の有食品を積極的に食する。
  赤や黒の色を有する食品はミネラルやポリフェノールを多く含むものが多く、
  造血作用や体温を上げる作用を持つものが多いです。
  例えば、トマト、クコの実、黒きくらげb、黒胡麻、黒豆、レバー、ほうれん草、金鍔、人参、牡蠣、豚肉などがあります。

2. 冷たいものや生もの、脂っぽいもの、刺激物の摂取は控える。
   水のガブ呑みは避けて、温かいお茶などを飲用しましょう。

3. 甘すぎるものや辛すぎるものは控える。
   ブルーベリーやレーズン、ブルーンがお勧めです。
   酸味のあるドライフルーツの摂取は補血作用を助けます。

4. ダイエットや朝食抜き、偏食は禁物。

5. 適度な運動。
   適度な運動による脾胃の運化活動の促進は重要で、
  また、十分な睡眠は必須となります。

おすすめ食材
食味 甘  食性  平、温のものが主体
  ほうれん草・菊菜・ぶどう・落花生・豆乳・牛乳・鶏肉・豚肉・レバー・なまこ
いか・タコなどです。

食養生 瘀血体質

瘀血体質
  「血」の循環不暢の状態を指します。
 栄養は皮膚や関節、四肢末端に届かず、新陳代謝は低下し身体には老廃物が溜まりやすくなります。
この事から肌色は暗く、関節痛や手足の冷えなどが現れます。
中度以上の肥満には「お血」が絡んでいると考えられます。
肥満によって、高血圧・半身不随・虚血性心疾患・痛風・糖尿病など年齢に関係なく現れます。
陰虚内熱、化源不足、新血が不生などで、やせ衰えることもあります。
「お血者」はガンなどの悪性腫瘍や心筋梗塞、中風、下肢の静脈瘤などの血管疾患また、
慢性肝炎や肝硬変を起こしやすいです。
女性では子宮内膜炎や子宮筋腫、生理痛、月経困難が起こり易くなり、経血は黒い塊状が見られます。

飲食養生
1. 活血化お効果のある飲食、寒涼食を避ける。
   「お血体質者」では少量の飲酒は良く、酒には「活血作用」があります。
  ただし、肝臓に傷をつけますので量には注意を要します。
  ワインや日本酒が良く、「活血化お作用」を持ちながら肝臓に対しての悪影響は少なく女性に適しています。
  日本酒の卵酒もお勧めです。

2. 「活血化お作用」のある飲食を選ぶ。
  ・ 果物類ではサンザシの実がいいです。
    「お血」が絡む肥満や慢性の心脳血管疾患の調整養生に効果あります。
    金柑には「活血作用」はないが、肝機能を高める作用があります。
  ・ 青物野菜では、温性で活血作用を持つニラ・玉ねぎ・ニンニク・桂皮・生姜が良く、
    特に冬の季節や陽虚が絡む「お血体質」に適合します。
    ただし、多食は目ヤニや眼精疲労を誘発しますので、
    特に高齢者や春夏季節の多食には注意してください。
    涼性の「活血作用」をもつのではレンコン・キクラゲ・タケノコ・茄子・こんにゃく芋などがあります。
    これらは夏季や湿熱、陰虚内熱が絡む「お血体質」に適合します。
    ただし、血脈は喜温悪寒の特徴を持つので、大量摂取は良くなく、これらには温性の食物と配合して食べて下さい。
  ・  きのこ類は養肝護肝の作用や防癌抗癌作用を持ち、「お血体質」に大変適合します。
  ・  水産類ではカニやナマコがあります。
     カニは外傷後の「お血」の消散に適しています。
     ナマコは「お血体質者」のしわ枯れ形態や皮膚乾燥に有効です。
  ・  黒砂糖・日本酒・甘酒・ワインなどは女性の「お血体質」の改善に最適で、
     産後、生理痛、経血黒褐色、月経血塊多、月経遅延などの状況下で最適です。
  ・  酢は血管の保護軟化に良く、中高年の「お血体質」の心疾患・脳疾患の傾向のある人には大変良いです。
  ・  菜種油は「活血」の作用がありますが小毒があるので注意を要します。
    この他に玫瑰花(まいかいか)や茉莉花(まつりか)の茶は疏肝理気させて「活血化お」の効能を持っています。
    蜂蜜を加えるとさらに良いです。

3. 禁忌として「お血体質」は寒冷、氷菓子などは一切避けて下さい。

おすすめ食材
 ニラ・玉ねぎ・ニンニク・ラッキョウ・桂皮・生姜・レンコン・黒キクラゲ・
竹の子・茄子・なずな・桃・油菜・黒豆・青魚・カニ・ナマコ・黒砂糖・酢
日本酒・ワイン・金柑・柚子など

食養生  痰湿体質

痰湿体質

 身体の新陳代謝が不良で、余分な水分や脂肪が体内に溜まった状態です。
この状態では体内の老廃物である「痰湿」は体外にニキビや吹き出物、痰、白帯下、下痢などの症状として現れます。
肥えやすく、脂肪率が高く、高脂血や浮腫、糖尿病に罹りやすくなります。

飲食と養生
1. 脾は生痰の源であり、痰湿体質の養生では最重要になるのが脾の保護と脾を傷めないこと

2. 「味清淡、適当吃姜」な飲食に心がけ、こってり物や脂っこい物は避ける。
   「味清淡、適当吃姜」な食品とは、さば、あじ、いわし、にんじん、さんま、かぶ、ピーマン、しいたけ
  えにきたけ、まつたけ、こんにゃく、アサリ、しじみ、たけのこ、ひじき、寒天、バナナ、あわ、冬瓜、そば、
  ハト麦、大根、小松菜、青梗菜、マッシュルームなどです。

3.  古代より不老長寿の知恵は満腹から七八分の飲食(腹八分目)
   飲食速度は速くならいようにゆっくり食べましょう。
   腹は八分目にし、満腹にしないように気をつけましょう。

4.  美容をあまり考え過ぎないように、美容にこだわりすぎて、
  痰湿の物が果物のような水果物の摂り過ぎは返って逆である。
  水果物とは、フルーツゼリー、ドロップ、水気が多い果物などを指します。

5.  朝食はしっかり摂るが、夜食は控える。
  朝食は痰湿体質を改善させ、体重減少の第一歩です。

6.  温燥の食べ物を多用
   身体を温める性質を持つ食品は、人参、しそ、パセリ、カボチャ、ネギ、玉ねぎ、にら、クルミ、松の実、桃、栗
   味噌、酢、納豆、米、鶏肉、生姜、鮭、鰯、鰺、鯖、マグロ、海老などがあります。
   温より強く体を温める性質を持ち、発汗を促すのによいとされる食品には、
   羊肉、唐辛子、胡椒、山椒などがあげられます。

7.  健脾祛湿の食べ物を多用する。
   脾臓の働きを高め、消化機能を正常化する食品には、
   トウモロコシ トウモロコシの髭 ハト麦 大豆 小豆 黒豆 里芋 湯葉 レタス 葱 じゃがいも 冬瓜(とうがん) 
   キュウリ モヤシ とまと 人参 にんにく 蓮の実 菱の実 松の実 ピーナッツ ヤマブシ茸 ハム 鯉 フナ 
   スズキ 山椒 金針葉 羅漢果などがあります。
   体内の余分な水分を排出させる食品には、扁豆 人参 パパイヤ 仏手柑 あり、
   湿を取り除く食品には、
   ハダカ麦 トウモロコシ フジ豆 ニンニクの芽 唐辛子 玉竹(アマドコロ) さくらんぼ 猫肉 がらがら蛇 コブラ 
   マムシ 泥鰌(どじょう)などがあります。

8.  痰湿体質者は酸性の寒涼し、脂っこい、生ものは避けるべき
   身体を冷やす食品には、
   豆腐、スッポン、西瓜、レタス、金針菜、アスパラ、コンニャク、昆布、ひじき、蛸、茄子、トマト、胡瓜、白菜
   ほうれん草、蟹、牡蛎、浅利、シジミ、御坊、大根、冬瓜、白砂糖、塩、バナナ、梨、柿、ミカン、蕎麦、はと麦
   大麦、小麦などです。

  9.  糖を多く含む飲料は控えて
      肉の脂身などの動物性脂肪。チョコレートや生クリームなどの甘いもの。
    果物や炭酸飲料などの取り過ぎ。お酒の飲み過ぎ、タバコの吸い過ぎに注意。 

 おすすめ食材
  生姜、ねぎ、黒大豆、大豆、もやし、ゆば、紫蘇、山芋、大根、人参、玉ねぎ、桑井、ピーマン、白菜、椎茸
  そら豆、刀豆、セロリ、柚子、柑橘類など

食養生  気虚体質

 気虚
  健康を統括する「気・血・水」の中の「気」が不足している状態です。
「気」が不足するといわゆる精力不足で、常時疲れやすい、倦怠、冷えなどを訴え、
免疫力は低下し感冒や胃腸虚弱、食欲不振、下痢しやすいなどの症状が現れます。
花粉症などの過敏性症状や頻尿、夜間多尿、不妊症、性機能障害などに現れます。

飲食養生
1、 身体を温める性味の食べ物を積極的に摂る。
     気虚の人の多くは冷え性が多く、身体を温めて消化機能を高める性質の飲食品を選びましょう。
    胃腸を冷やすような冷飲食や刺身などの生もの、生野菜は控え、
    エビ、ニラ、玉ねぎ、マトン、ニンニク、生姜、シナモン等の性味が温の食材を摂りましょう。
2、 生食は控え、火を通した物を食べる。
3、 補気食品を選ぶ。
     穀類や根野菜、豆類、キノコ類を毎日積極的に多く食べましょう。
4、 よく噛んで、腹八分目を心がける。
     早食いや食べ過ぎは胃腸の働きを越えて消化不良になり、
    逆に機能の低下を招き、「気虚」を悪化させます。
5、 食事制限によるダイエットは禁物。
6、 やっていけないこと。
     激しい運動は避けましょう。
    散歩や気功、ヨガ、ストレッチ程度は好ましいです。
    睡眠不足は禁物です。

おすすめ食材
    食味 甘い  食性 平、温のものが主体
    牛肉、羊肉、鶏肉、椎茸、米、大麦、黒砂糖、蜂蜜、水飴、人参
    カリフラワー、しらうお、どじょう、太刀魚、やま芋 など

危険なめまい・立ちくらみ 

5月としては、記録的な暑さ!で体調を崩されていませんか?

 

暑くなる時期。いきなり血の気が引いたり、頭がぼーっとしてクラクラしたことがありませんか?

めまいは突発的に起こる症状の一つです。

急に立ち上がったときなど、誰もが経験したことがあるでしょう。

一時的なケースが多いですが、もしかしたら、何らかの病気が原因になっているのかもしれません。そのめまい、本当に大丈夫ですか?

 

 

 

めまいが起こる原因

めまいはなぜ起こるのでしょうか?

その原因は非常に複雑で、ストレスや不安など精神面が作用する場合や、メニエール病など耳から来る場合、また脳や神経の働きに異常が出たときに起こります。

めまいも様々な種類がありますが、頭がクラクラしたり、ふらっと立ちくらみを起こしたり、体がフワフワ浮いた感じになるのが一般的です。

めまいと関わりの深い病気

めまいもそのときの状況によっては、病気が原因と考えられます。

 

急に立ち上がったときのめまい

立ったときにクラクラしたら、ストレスや心配事、精神的な疾患(心の病)が原因になっていることがあります。立ちくらみは貧血とも関わりが深く、体の疲労や栄養不足も原因として考えられます。

 

ぐるぐる目が回るとき

お酒を飲み過ぎたときのように、目が回る症状の場合は突発的なものが考えられます。

また、外耳炎・中耳炎、蓄膿症のように耳や鼻が詰まっているときにも起こることがあります。

 

体が浮いた感じのとき

一番危険なめまいの種類です。場合によっては、すぐ病院で診察を受けるほうが良いでしょう。

風邪などを引いているときも起こりますが、脳梗塞や脳出血が原因の可能性もあるからです。

しばらく休んでも治らず、まっすぐ歩くことができないときは、これらの病気の疑いがあります。

 

めまいを防ぐためには

めまいの原因は1つだけではなく、複数の要因が絡み合って起きる複雑なものです。

めまいを事前に防ぐ最良の方法が、規則正しい生活を送ることと言えるでしょう。

今の時代、多くの方が何らかの形で生活習慣が乱れています。栄養不足はもちろん、ストレスをため込んでしまうこともあると思います。

なるべくストレスはため込まない(発散する)、栄養バランスに気をつけて食事を取る、早寝早起きなど生活自体を改善することが重要です。

低体温・冷え症も一因改善が必要です。

たばこのように、感覚を麻痺させる嗜好品もなるべく控えるのが良いでしょう。

めまいが起きたときの応急処置

もし急にめまいが起きたときはどう対処すべきでしょうか?

 

急激な、目が回るようなめまい

急激なめまいの時は、まず安静にすることが大切です。

目を軽く閉じて横になりましょう。頭は動かさず、収まるまで楽な体制でじっとしていましょう。

 

手足のしびれ、視界のブレが伴う

手足のしびれや、ものが幾重にも見えるときは、救急車を呼びましょう。

夏場の場合は、脱水による日射病時に起きることがあります。

 

頭痛を引き起こす

体内の血行が悪くなり、頭が締め付けられる症状が起きるようです。

身体を温める、ツボ押しなど、血行を良くしてリラックスしましょう。

頭痛がするからとロキソニン等を飲んでも、めまい自体は改善されません。

 

吐き気を伴う

多くの場合は吐き気がセットで襲ってくるようです。

寝不足時、ストレスを抱えている時の自律神経の乱れなど、生活習慣も大きく関係しています。

安静に横になり、少し眠ると治ることがあります。

おわりに

めまいは少し体調が悪いときや、ストレスなどの精神的な要因でも起こります。

かなり一般的な症状であるため、病気を見逃してしまいがちな点も特徴です。

急激なめまいが起きたときはまず安静にし、一つずつ症状を確かめてみましょう。

長く続く、何度も繰り返す、失神などの症状がある場合は、速やかに医療機関への受診をお勧めします。